TOP>ASERTION STYLE

ASSERTION STYLE

NSGK STYLE
トレーニングスーパーバイザー
平木 典子(ひらき・のりこ)
東京福祉大学大学院 心理学研究科教授。専門は臨床心理学、家族心理学。
統合的心理療法研究所(IPI)所長。
日本家族心理学会常任理事、産業カウンセリング学会常任理事。

日精研では、来年、assertion.jpというホームページを新しく立ち上げる予定です(※このインタビューは2008年12月25日に収録しました)。ホームページにいらっしゃってくださった方たちに、ぜひ平木先生の「生の声」をお届けしたいと考え、このようなインタビューの場を設けさせていただきました。日精研がアサーション・トレーニングを開始して、来年で27年目になります。今回は、日精研から内田純平と八巻も参加させていただき、対談形式で、日精研と平木先生の出会い、そしてアサーション・トレーニングが誕生した経緯などをお聞かせいただければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

平木先生とアサーションとの出会い

――― 今日は、色々と資料も用意してみました。
平木先生(以下、平木):この(資料の)順番でいこうかってことですか。
――― その順番じゃなくても構いません、思うままで結構です。
平木:あのいったい何がどこまで役に立つのかあまり考えないでしゃべっていいんですか。
――― もちろん、思いつくままにお話しください。
平木:そうなんですか、なんか余計な話がいっぱいあるかなと思って、なにを選ぶかがすごく気になってはいるんですけど、あたしとアサーションの出会いは1975年で、アメリカで開催されたロジャーズのPCA(注1)の第2回目。PCAってそのあともずっと続けられたんですが、2回目で、そのときたまたま都留先生と、小谷先生の2人が同じワークショップに参加していたという。
左から
都留先生、カール・ロジャース、
平木先生、小谷先生
――― これですか。
平木:(資料「最近のカール・ロジャース(注2)」 を取りながら)そうそうそう(笑)。その最近のロ ジャーズを語るというその中に、一部アサーショ ンが出ているかも知れませんが、そこで出会った のがおそらく私の最初(のアサーションとの出会い)で、あーそうだ、その写真(右を参照)があるんだ(笑)。
――― 先生が若い。
平木:そうそう、そのときなんですね。それでロジャーズがアサーションをやっていたわけじゃなくて、そのワークショップっていうのは、世界から集まった、ロジャーズとかカウンセリングに関心がある人たちが、いきなり100何人のコミュニティをオープンして、「今から何しようか」って話し合うところから始まるワークショップなんですね。だからものすごい構造化されていないワークショップで、全員が集まるコミュニティ・ミーティングっていうのは最初だけで、あとはもうコミュニティ・ミーティングを集めても集まらないという、最後まで何が展開されるかわからないというようなワークショップでした。基本的にそのロジャーズが考えていることはパーソンセンタードという、一人ひとりを大切にする関わりっていうのはどういう関わりかっていう(ことを)、その100何人のコミュニティで実験するみたいな、そんな感じだったんです。その中で、インタレスト・グループ(注3)といって自分達で関心があるテーマのグループを作るっていう提案が出てくるわけですが、そのインタレスト・グループが出来たときに、アサーションをやるインタレスト・グループっていうのも出来ていたわけです。自分がアサーションということに、あんまりまだ関心がなくて、そのとき他のインタレストグループにいたんですね。そしたら、たまたまお昼休みに一緒にご飯食べた(別のインタレスト・グループの)人たちが、散々色んな話をして、「私達はこんなことやってる」といった情報交換をした後で、「あのー、どうもありがとう。これで宿題が終わりました」って言われたんですね。それで、「え、なんの宿題なの」ってきいたらアサーション・トレーニングで、「雑談に加わり、雑談から立ち去る練習をしてこい」って言われたっていうわけ(笑)。
内田純平(以下、内田):立ち去るということがアサーションだと。
平木:(雑談に)加えてくれっていうのと、そこで雑談を続けるっていうのと、それから立ち去るというこの3つが私達のテーマだったんだと。そしてそれを出来たよね、良かったよねって言って二人がいなくなったわけです。それで私は「何をやってるわけ、アサーションって」って思ったの(笑)。関心を持ったんですけど、途中から入ることも出来そうになかったので、私はその帰りにアサーションの本を買いあさって帰ってきたんですよ。アサーションって一体何やっているんだろうってことが知りたくて。でカリフォルニアはけっこうアサーション(関連の本)がたくさん本屋にあって、3冊くらい買って帰ってきたように思うんですね。中身を見たら、ちゃんと雑談におけるアサーションっていうセクションがあったんです。それまで私はアサーションについて、(アサーティブ、アグレッシブ、ノンアサーティブの)3つの分類については知らないわけじゃなかったんだけど、一つの体系としてアサーション・トレーニングっていうのがまとまっていることを初めて知ったんですね。
――― じゃあ、むしろ最初は本で知った、と。
平木:本で知ったんです。これ、日本にきっと必要だよなーという風に思ったんですね。それで、今度チャンスがあったらアサーション・トレーニングっていうのに参加してみようと思っていたんです。次のチャンスは1979年でした。私は研究休暇で1年間アメリカに行くことが出来たので、そのときにアサーションのことについては、調べてこようと思っていたんです。家族療法を勉強しようっていうのがテーマだったので、アサーションに全精力を使うというよりは、サンフランシスコ州立大学で家族療法の勉強をしながら、アサーションのトレーニングに参加させてもらったり、トレーニングのやり方をある先生から聞いたりとか、していました。概略はそこでつかんで戻ってきたんです。(この経緯を)日精研との関連で言うとですね、そのころNPCC(注4)のカウンセリング部門を取り仕切っていらしたのが小川さん(注5)で、アメリカから「できればアサーションのことを調べてきます」と、たしか手紙で書いた覚えがあるんですね。
――― メールはない時代ですもんね(笑)。
平木:それで小川さんは何か必要なものがあったら講習費は出すし、「あなたがやりたいことがあったらやってきてくれ」みたいなことをおっしゃったんだけども、それに及びません、というやりとりをして帰ってきたんですね。日本に帰ってきたときに臨床の先生達には、特に家族療法を広げたほうがいいということと、日精研には、臨床の中に家族療法を取り入れるといいと思うことと、アサーション・トレーニングを日本で行うことを考えたいと伝えたのです。
内田:今朝ね、実は小川さんと電話で話をしたんだけれども、そしたらば要するに最初に1975年にPCAでインタレスト・グループでやってて、それで(アサーションに)興味をもったっていう話を小川さんと(平木さんが)なさったらしい。
平木:(1975年のPCAのときに話)してはいるんですね。
内田:そしたらば、平木さんが今度アメリカにまた行くって言ったときに、なんかちょっとうろ覚えなんだけれども、「アサーションのことを仕入れてきてくださいよね」ってことをなんか言った(らしい)。
平木:はい、それは多分そうかもしれませんね。
内田:それで仕入れてくれって言われたんで、それで平木先生はそれを仕入れてくださって、それで帰ってきて話をしてくださったみたいなことを言ってた。
平木:多分そこで小川さんと話をして、アサーションは今後チャンスがあったらぜひ取り入れようと思うと小川さんにそこで報告をしました。
次へ